私とヤマちゃんが6月のジャパンカップで選考されて、10月の上旬チェコ共和国にて、FCIアジリティーワールドチャンピオンシップに日本代表として参加いたしました。
サポート応援いただいた方も多いのでこちらでも報告を致したいと思います。時間短縮で音声入力で行きましたので誤字などすみません。
FCIは国際畜犬連盟でFCIのアジリティー世界選手権は最もレベルが高いと言われています。
9月下旬、世界大会の2週間前に、時差の調整と、犬の人工芝の足馴らしに関西空港からまずフランスに入りました。
丁度F1が終わった月曜だったのでフェラーリなど各チームのスタッフが大挙乗っていました。
フランスは私が長年通ってトレーニングのスキル、アジリティーの経験値を増やした場所です。コロナ禍で数年来行けていませんでした。およそ5年ぶりのトゥールーズとなります。
そこで5日ほど現地で練習しました。
トゥールーズでは私の古い友人がアジリティーホールを経営しております。そのアジリティーホールでは、世界大会で使用する人工芝と同じタイプのものが敷かれて足場慣らしに良い練習となりました。

ただし、彼女以外の古い友人とは、タイミングが合わず会えませんでした。
アジリティーも世代が変わり、かつて通ったクラブも運営は若い世代と変わっております。
他の友人たちはプロのアジリティーインストラクターで不在としていたり、他の仕事を始めていたり、この点は少々寂しく感じましたが、最終的にトゥールーズに行くことを決めたのが1週間前と急すぎましたので仕方ありません。
トゥールーズでは、良い練習ができましたが、とても暑い日々が続いており、午前中であれば練習できるものの、午後は犬を連れてどこかに行くことが難しく、犬を部屋に置いてウォーキングや軽いジョギングをして市街地の方まで行きました。

滞在したホテルは、トゥールーズブラニャック空港の側で、こちらは大型スーパー、チェーン系レストランが立ち並び、趣がありませんが、滞在するのには便利な場所だと思います。

ホテルから市街地までは5キロほど離れており、歩くのにはちょうど良い距離だと思います。帰りはトラムに乗って帰ることもできます。
トゥールーズの街はバラ色の街と言われ、レンガ造りの赤茶けた建物が多くあります。ガロンヌ川に沿って街が作られています。
滞在中は、この地でラグビーワールドカップ、日本代表対サモア戦が行われ、日本人サポーターも大挙してこの地を訪れていました。
街はワールドカップ一色の雰囲気です。スタジアムの近くのガロンヌ川の河川敷には、特設のライブビューイング会場もあり、チケットがなくても楽しめる感じでした。
日本戦の開始時刻は21時と遅くテレビ観戦としました。私も別のスポーツではありますが日本代表として健康な状態で現地に入らないといけないので仕方ありません。

トゥールーズの滞在は日曜日で終えて、一旦パリに戻り、翌日、朝の便でチェコ共和国プラハに向かいます。
無事月曜日の午前には、プラハ空港の前の集合場所となっているホテルに到着しました。
ここからは、代表メンバーと一緒にバスで長い滞在となるリベレツのホテルに向かいます。
ホテルはとても立派な部屋でした。
初日の夜はスーパーマーケットで買い物をしました。感じたのは、フランスよりもちろん7月に滞在したデンマークよりかなり安い物価でした。
翌日、バスにて2時間ほどかけ、アジリティーホールに行き、代表合同練習を行いました。気分も盛り上がります。
その夜はガラパーティーがあり、大会前夜のパーティーが行われ、メンバーとお話しする機会を持つことができました。
翌日は水曜日。いよいよ大会が始まります。以前はインターミディエイトクラスはありませんでしたので、木曜日から開始でしたが、1日早くスタート期間も長くなります。
大会の会場までは、徒歩でも行ける距離で私は早朝の出番の時以外はほぼ毎日徒歩で会場しました。
水曜日の午前は、ベテリナリーチェック、公式練習、午後よりオープニングセレモニーと目白押しのスケジュール。
その日の夕方よりいよいよスモール、ミディアムクラスより競技開始となりました。
この日は、大変遅くまでかかり、22時近くまで会場にいることになりました。
やはり1カテゴリ増え、参加国数も増えていますので、時間がかかるようです。
翌日は私たちの出番。チーム戦ジャンピングです。
チーム戦は、各国3頭ないし、4頭が参加。上位3頭の成績を採用して、順位を争います。
当然、4頭参加の国は1頭失敗できます。各国チーム構成をいろいろ考え、ジョーカーと言って1人スピード重視のメンバーを入れたり、すべて安定志向のメンバーを入れたりとそれぞれの考え方でチーム構成をしております。
私のこの日の結果としては痛恨の失格。他のメンバーがCRでまずまずのタイムでしたので、本当に申し訳なく思いました。
序盤のスピードの出ないセクションで、アグレッシブなハンドリングを選択しましたが、やや動きがぎこちなく、ヤマちゃんは慌てたせいもあり、トンネルの中で滑ったようです。
トンネルから出てくるのが遅かったので、少し待っていたら、次の障害もトンネル。ここで一気にヤマに抜かされ、やや後ろからのハンドリングを強いられることになりました。
そのせいもあり、後ろから押してしまったせいで、内周りのセクションを外に押し出させてしまいました。そして逆飛失格。
前日までの調子が非常に良かったので、正直、気が空回りした部分もあります。狙ってやろうと強く思った部分もありました。しかしながら、チームに迷惑をかけたので、方向修正をせざるをえませんでした。
自分の番以外はチームの応援、そして競技の間にコース設営の時間は大きな音楽が流れ、休憩時間のような形でした。
アリーナの客席側の外周は、通路に隙間なく、犬のおもちゃ等のグッズショップ、ビールが軽食を販売するスタンドが立ち並び、その間そこでビールやコーヒーなど楽しむことができました。
翌日は、チーム戦のアジリティーでした。
ルールは、昨日と同様チームでの成績で決まります。アジリティーですからタッチ障害があり、そういった精度も問われることになります。
昨日の順番で、下位のチームより走ることになり、ラージクラスは40カ国ほどの参加の中、日本は真ん中あたりの出走順となります。
昨日の失敗もあり、私は失敗する作戦は一切排除してCRを取ることにってしました。
チームは3人ともCRをとり、この段階では1位となり、後のチームの成績を待ちます。
当然その後に走ってくるチームは、昨日の上位チームですので、このまま上位に残る可能性はかなり低いものでしたが、意外に意外。かなりのチームがミスがあり、残り10チームぐらいまでは1位のままでした。
そして、実力国のスペインチームに抜かれ、ついに2位に陥落。
まだまだたくさんの国が出走するので、さすがに表彰台は難しいかと思われましたが、上位クラスは、昨日の成績の総合成績も狙っているため、緊張感があり、思わぬところで失敗するペアが続出、ドイツチームがさらに上位成績を出し、日本チームは、この時点で3位。
万事休すかと思いましたが、残りチームもプレッシャーからか、失敗。
なんと、3位表彰台と言う結果になりました。

今まで他の国々を拍手でたたえていたウイニングランを、自分たちがグランドに立ち、走ることになるとは思いませんでしたが、とても幸せな時間を過ごすことができました。
そして土曜日は個人戦となります。
ラージの競技時間は、朝1番で、私の出走順は2番手です。計算では8時頃にはすでに競技が終わってしまいます。
個人戦は、今までと違い個人成績になりますので、やるだけやろうと言う気持ちで向かいましたが、2番手出走なので、他の選手の動向を見ながら作戦を練ることができません。
とても難しい判断でしたが、チーム戦の件もあり、軽く失格するわけにはいかないと思いました。それにバーを落としやすい障害物の配置だったのもあり、やや安全性の高い選択を取りました。そして無事にCR。
ただし、タイムに関しては厳しいものでトップより2秒以上落ちるものでした。
成績としては、32か33位だったと思います。
もっとやれることができたかもしれませんが、その方法には私は慣れてなかったし、今の技量ではバーを落とさせた確率があったんではないかと思います。
自分の順番は早々に終わり、この日は、ビールをスタンドで買って、残りの時間は仲間の応援タイム。こんなのもヨーロッパの大会の特徴かと思います。
翌日はいよいよ最終日。
私のエントリーしているラージ個人アジリティーの順番は最後となります。
他のカテゴリーでもジャンピングで上位に食い込んでいるペアもいる事あり、応援も熱が入ります。
個人アジリティーのコースは、なんと、ドッグウォークが2回ある特徴的なコースでした。
世界大会では初めてとのこと。
規定ではタッチ障害が3回以上を使うこととなっているので、問題はありません。
昨日の順位で走りますので、私は100人以上待つことになります。
コースの要点としては、1回目のウォークの後はランニングコンタクトのハンドラーのポジション取りは難易度が高く、邪魔をしないように走らないといけないという事。スラロームのエントリーは一見簡単そうでしたが、難易度が高く、トンネルの出口からは、スラロームが犬から探せないので、苦労しているペアがたくさんいました。
最後の競技となり、後はやるしかないと決意をして出走することができました。
1回目のドッグウォークの後は、前回7月にセバスチャンの所を訪問したときに経験したシーケンスでしたので、思い切ってやる方法をとりました。
これに関してはうまくいきました。スラロームのエントリーも、事前の障害物を付き添わない事を予定し、ここもうまくこなすことができました。Aフレーム後の図形はやや工夫がいるものでしたが、タッチを飛ばないことを優先し、真っ直ぐ走り抜けて、ここも問題ありませんでした。そして最後のドッグウォーク。タッチはフロントパッドのディープヒット気味ながらOK。
21番まで難なくこなし、最後の22番ダブルジャンプ前でヤマちゃんが突然後ろを振り返り、コネクションを失う。大勢の人の歓声、審査員を気にしたと思います。
拒絶となり、何とかゴール。今までこういったことがなく、悔やまれる出来事でした。
アジリティーに「もしうまくいったら」と言うのは無いんですが、ゴールしていた5席か6席に総合で入ることができました。ただ省みる必要があるのは犬への思いやりがやや欠けていたハンドリングを続けていたことだったかもしれません。
この半年ほど、レッスンに忙しく、深夜の一人練習以外は犬を十分に外に出せなかったのもあります。社会性が不足していましたのはあります。元々音響シャイな犬ではないので今からこういった対策をする事は可能だと思いますので、しっかりとやっていきたいと思います。
それにしても、ヨーロピアンオープン、夢の世界大会に連れてきてもらって、ヤマちゃんはすばらしい犬だと思っていますし、感謝しかありません。
そして、はじめての世界大会にもかかわらず、表彰台まで上がれてメダルをいただき、素晴らしい大会になりました。
この夜は、チームで初めて会食を行い、チームリーダーの大庭さんを始め皆さんのお疲れ様会になりました。
翌日は早速空港のあるプラハに移動。
本日滞在するホテルで日本代表は解散となりました。
その後亀田さんご夫婦と市内観光に行って来ました。
プラハの街は、デンマークともフランスとも違い、東ヨーロッパの香りがする少しレトロな街でした。

プラハの旧市街もコンパクトで歩くにはちょうどいい感じです。

カレル橋のそばにはレストランがたくさんあり、Google マップで良さそうなレストランに入りました。すごいおいしいとは思いませんでしたが、まずまずの料理。チェコは特段おいしいと言うものは無いですが、やはりピルスナービールは欠かせません。
気温も朝晩は1桁、昼は20度以下と息が白くなることがびっくりです。
そして、翌日帰国便の出発するプラハを出発。
パリで一泊。せっかくパリに寄ったんですから、やはり市内観光と思いましたが、大会期間中より風邪の症状があり、パリ到着時はちょっと街をうろつき回る自信はありませんでした。体力のない時は、駅方近くの中華料理と決めて中華料理屋でディナー。


パリ市内でディナーでビュッフェでたった16ユーロと激安のお店でした。本当にアジアフードは体になじみます。
ホテルに戻る帰りの電車で、パリ経由で帰国するメンバーから電話をもらい、トラブルがあり帰国できなくなったとのこと。
犬連れ海外渡航の怖いところは、ここで、予定外のことが起こり得ることですね。
翌日、水曜日はいよいよ帰国。
フランスで最後に食べたいものといえば、やはりパン。これだけは日本では少なくとも愛知では同じものとは出会えません。シンプルなチーズとハムのバゲットのサンドイッチを買い、帰国便に乗りました。
食べ物で昔と違うなと思ったのはコーヒーです。昔はカフェオレがをフランスで飲むのが好きでしたが、今は大体の店は世界共通コーヒーのベンディングマシンでの提供。注文する時の名前もエスプレッソ、カフェラテなどイタリア風。普通のコーヒーはカフェフィルトゥルといってもフィルターで濾したコーヒー?と頼まないといけない。普通のカフェと普通のカフェオレが飲みたかったのですが、なかなかなかったです。
機内はめちゃくちゃ寒く、エールフランスの国際線の長距離便に限っては、前よりも昔の幅が狭くなってるようで、寝返りも打てずに本当に苦行でした。次はJALかANAがいいなと思いました。調べたら幅が4cmも広いようです。その他の他社もエコノミークラスはかなり狭くしてるようで、昔の古き良き国際線の旅と言うのはエコノミークラスではさせてくれなさそうです。
到着後は、無事に動物検疫をを済ませ、到着。
関空は排便場所が少なく、南側のバスの停留所そばにある土のところで、排便。
3週間ほど行って参りましたが、日本もすっかり涼しくなっていて驚きました。
最後として、日本代表でアジリティーを走らせてもらって、ありがたく思いましたが、自分のために走ると言う事は、代表のゼッケンをつけて走る以上、責任感と重みを持って走ることになりました。良い意味ではそういったものになれることができましたし、気楽に走るということはここではできません。そういう部分でなかなかない経験ができましたし、応援してくれた皆様や、チームリーダーを始め、通訳、アテンドスタッフ、チームメートメイトやJKCの事務方の皆さんのサポートで大きな役割を無事終えることができました。
これだけ仕事を休んで、そしてやはり金額的には7月と今回もかなり大きな負担がありましたので、本当にコロナ前の海外渡航とは比べ物にならない出費となります。そういう部分で頻繁に海外には行きづらくなりましたが、国内にいたら気付けないところは色々ありました。そういう部分は皆さんにフィードバックしていきたいと思っています。しかしながらストイックな部分だけでアジリティは長続きしません。世界大会に行って気づいたのはバーベキューや餃子でも作りながらするアジリティも大事な事だと改めて確認できたことでもありました。